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魂の鉋

坂田憲治作 「精魂」




匠の道具 魂の鉋とは?
 現在、大工の技術はどんどんと失われていっています。それと当時に、大工の道具も活躍の場をなくし、若い大工だと鉋を使ったこともないという状況が起きています。
しかし、京都鮫島浩工務店のエコ大工3兄弟は、大工の技術、大工の道具も未来へ継承して行きたいと考えています。道具を大切にして、手入れをして長く使う。それが大工としてのたしなみです。大工の魂のこもった道具、ここでは鉋をご紹介して行きます。


精魂 鉋身 裏金 作:坂田憲治 氏(〜2007年12月29日)



 播州(兵庫県)三木鉋の名工、坂田憲治氏の作精魂。
坂田憲治氏とは、三木鉋鍛冶の黒川系統の系譜に属する。
黒川系統とは、過去をさかのぼると最古の資料で中屋国松に単を発し、中屋国松⇒中屋九衛門⇒黒川太市郎⇒黒川卯太郎という系譜をたどる鍛冶屋一門で、黒川卯太郎が多くの弟子を育て、黒川鉋鍛冶のみならず、三木鉋鍛冶を世に知らしめたと言われています。

その黒川卯太郎の一番弟子であった魚住福三郎氏を師として修行したのが坂田春雄氏(坂田憲治氏の父)であります。
坂田春雄氏は独立後、三木鉋鍛冶として初めて、自分の名を切り鉋を販売した人で、三木鉋のブランドを高めた人物でもあります。玉鋼の研究を重ねた人物でも知られ、三木鉋鍛冶のシンボル的存在です。

その技と伝統を引き継ぎ、磨き上げたのが、二代目の坂田憲治氏です。その憲治氏も2007年12月にお亡くなりになり、現在では坂田鉋は途絶えました。その名工の一作がこの精魂です。昭和丙寅(61年西暦1986年)の作であることがわかります。


精魂 鉋台(赤樫)装着


坂田憲治氏の作品はランクの下から「雪」「蘭」「妙」「木鶏」「天運」「桜」「精魂」「至誠」「真鯉」限定品の「真魂」となります。限定品の「真魂」は「精魂」より価格を下げて販売したものだったと言われています。また、坂田家には終戦後以来製造していない東郷鋼を所蔵していたこともありランクごとに使っている鋼が違います。「雪」「蘭」はスーパー鋼(鍛造無)。「妙」「木鶏」「天運」はスーパー鋼(鍛造品)。「桜」「精魂」は東郷犬首号。「至誠」「真鯉」は東郷レイ号の大。「真魂」は東郷レイ号の小を使っています。この鉋は精魂なので、東郷犬首号を使っています。正確には河合鉄鋼(当時、河合鋼商店)の洋物の鋼を東郷と称した中の「犬首印ハイスピード鋼」を使っています。東郷とは当時日露戦争にてバルチック艦隊を破った東郷平八郎大将の東郷を許可をもらい商品名につけたことに由来しています。




   

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